北鎌尾根
2010年 11月 20日
2010年9月24日(金)~2010年9月26日(日)
山の上にいる間だけは天気にも恵まれ、青空のもと最高の稜線歩きを楽しめた。
もともと高瀬川のどこかの支流で釣りをしてから水俣川・千丈沢に入り北鎌尾根に出て
槍を目指すという3泊4日のFish & Peak計画であったが、台風の接近により一旦中止。
台風が過ぎるのを待って1泊2日でどこか別の山域へ行こうということになっていた。
出かけずに天気をずっと様子見していたが、どうやら予報より早めに台風は過ぎるもよう。
一度あきらめた北鎌だが、水俣乗越へ上がってから天丈沢に下りて尾根に上がるルートもあるという話を聞き、急遽その計画に変更することになった。
これなら天気のせいで1日延期したものの上高地ナイトハイク2泊3日で充分いける!
Fishがないのはとても残念だが、そんなこと言ってはいられない。
湯俣からのFish & Peak はまた来年狙えばいい。来年は沢で尺岩魚を釣って焼き枯らし、
それを行動食として槍を目指したい。
もともと平日を含む3泊4日の計画であったためみんな金曜に休みを取っている。
金曜のお昼過ぎに東京を発ち、19時に閉まるという釜トンネルをぎりぎり通過、
19時過ぎに上高地に着いた。
ヘッドランプをつけて夜の林道を歩く。雨にやられて家でぐだぐだ過ごすはずだった時間に
上高地を歩いていることを不思議に感じる。
横尾にはいくつかテントが張られていた。もう寝静まっているのであろう、ほとんどのテントの
灯は消えている。
私たちが幕営する敷地には一張りもなかったので、他の人に気を遣わずに設営できた。短い時間
であったが宴会を楽しむこともできた。
横尾のテント場
翌朝、天気はすっきりしていない。曇り空の下、朝靄のかかった林道を槍沢に沿って歩く。
槍沢の水は相変わらずエメラルドに輝きとても綺麗!
流れもいい感じでものすごい数の岩魚が潜んでいるような気がしてならない。
釣り禁止だし、実際に岩魚はたくさん居るのだろう。
槍沢 この色がたまらない
一ノ俣か二ノ俣か、その辺りから空が急速に晴れていった。急な太陽に追いつけないように
雲が低いところにたれ込めていた風景が印象的だった。
槍沢にたれ込む低い雲
ババ平に着いてひと息。雲ひとつない青空にテンションも急上昇。
ふと横を見ると寝ようとする人が・・これからという時に!
ババ平から
寝出そうとする人
しばらく休んで、いざ水俣乗越へ。大曲からの急坂がきついだろうなとは思っていたが、
やはりきつかった。
持ってきたパンをしょっちゅうかじり、コンデンスミルクを吸いまくって体力を回復させつつ
歩いた。
やっとの思いで辿り着いた水俣乗越。北鎌尾根にいくためにはまた降りなければならない。
なんだかもったいない気分で天上沢を下る。
水俣乗越から天上沢を望む
天上沢へ下降
我々の目指す槍の穂先も見えた
天上沢に降りてからは広いゴーロ帯を歩き、左手に北鎌沢の出合いを探す。
私はゴーロ帯を歩くのが好きだ。次に出す足を置くところに集中しながら岩を飛び歩くことに
喜びを感じる。何も考えないで足を出して歩く道路歩きの100倍楽しいと思う。
ドーロよりゴーロである。
北鎌沢の入口で昼食とする。素晴らしい景色を前にするとやはり腹は減るもので行動食として
取っておいたパンをここで全て食べてしまった。
北鎌沢は疲れるためちょくちょく休憩 依然天気は素晴らしい
この日は北鎌のコルまで上がってそこでビバーク。北鎌のコルは思いの他狭かった。
4人だとみんな足をのばすこともできず。また、少し傾斜しているため夜中に何度も目を覚まし、
ずり落ちた身を元に戻してはまた眠るということを繰り返した。
それにしてもこの夜、夏用キルトでは寒かった。けっこう辛かったけど面白いビバークだったと
思う。横に飛び出た木の幹の上でストーブが倒れるのを心配しながら米焚きしたり、寒くて震えて
いるのにビールがやたらにうまかったり。
北鎌のコルでのビバーク
翌朝、日が昇る前に出発。空には雲ひとつない。まだ月が出ている。
北鎌のコルから少し上がったところで空が明るみ出す。周りの山々が朝日を受けて神々しい。
朝焼けに真っ赤に染まる岩峰にも感動を覚える。
岩峰が赤く染まっていく 綺麗だった
気持ちのいい朝だった
しかし、稜線に上がってからのこの幕営適地の数は何だ。4人とも幕を張り、宴会まで充分に
できそうなところがいくらでもある。
それを知っていれば昨晩、あんな狭苦しいところで寝ることもなかったのに。
平らな稜線の上で
槍はまだまだ遠い
稜線に出てからの岩歩きはあまり怖いところもなく楽しいものだった。
ただ巻き道ばかりだったので、時間に余裕を持った計画をたててもっと直登をいれたコースを
取るほうが面白かったかもしれない。
でもここは少し怖かった
槍がどんどん近づいてきて迫力を増してくる。
近づいてくる槍
行動食はすでになくなっていたのでトランギアの飯盒で米を満杯に炊き少しずつ食べた
おかずは塩こんぶとゆかり 食べるたびに力がみなぎった
槍に近くなってからはみんな思い思いのコースで色んなところから好きに登った。
槍の直下からは、今回履いてきたスポルティバのボルダーXの威力を思い知った。
とっかかりのない岩に足を置いても全く滑る気がしない。すごいグリップ力。
ソールはもっと薄いほうが岩の感覚があってよいのかもしれないが、
ある程度の厚みと固さがあるためゴーロ歩きでも疲れないのがよい。
ボルダーX
槍まであと少しのところ
槍の直下
槍の頂上では、年輩の方々がたくさんいらっしゃって、天気が良いときに頂上に立てたことを
喜び合った。
一通り記念撮影を済ませ、肩の小屋に降りてビールで乾杯。うますぎるビールだった。
頂上から
肩の小屋から穂先
槍沢への下山途中、何度も槍を振り返った。
私はここから見る槍の姿が一番好きだ。今回の北鎌から眺めた槍も昨年西鎌から眺めた槍も
好きだが、やはりここから仰ぐ槍がいい。尖っててかっこいい。
槍沢から
上高地に着いた頃には日も暮れて真っ暗。雨もざざ降りに。また天気は崩れるようだ。
本当に山にいる間だけ晴れてた。ついていたなと思う。
来年の槍Fish & Peakもぜひこのメンバーで来たい!
nut'sさん、wander_zさん、mt_hanterさん、ありがとう!
山の上にいる間だけは天気にも恵まれ、青空のもと最高の稜線歩きを楽しめた。
もともと高瀬川のどこかの支流で釣りをしてから水俣川・千丈沢に入り北鎌尾根に出て
槍を目指すという3泊4日のFish & Peak計画であったが、台風の接近により一旦中止。
台風が過ぎるのを待って1泊2日でどこか別の山域へ行こうということになっていた。
出かけずに天気をずっと様子見していたが、どうやら予報より早めに台風は過ぎるもよう。
一度あきらめた北鎌だが、水俣乗越へ上がってから天丈沢に下りて尾根に上がるルートもあるという話を聞き、急遽その計画に変更することになった。
これなら天気のせいで1日延期したものの上高地ナイトハイク2泊3日で充分いける!
Fishがないのはとても残念だが、そんなこと言ってはいられない。
湯俣からのFish & Peak はまた来年狙えばいい。来年は沢で尺岩魚を釣って焼き枯らし、
それを行動食として槍を目指したい。
もともと平日を含む3泊4日の計画であったためみんな金曜に休みを取っている。
金曜のお昼過ぎに東京を発ち、19時に閉まるという釜トンネルをぎりぎり通過、
19時過ぎに上高地に着いた。
ヘッドランプをつけて夜の林道を歩く。雨にやられて家でぐだぐだ過ごすはずだった時間に
上高地を歩いていることを不思議に感じる。
横尾にはいくつかテントが張られていた。もう寝静まっているのであろう、ほとんどのテントの
灯は消えている。
私たちが幕営する敷地には一張りもなかったので、他の人に気を遣わずに設営できた。短い時間
であったが宴会を楽しむこともできた。
横尾のテント場
翌朝、天気はすっきりしていない。曇り空の下、朝靄のかかった林道を槍沢に沿って歩く。
槍沢の水は相変わらずエメラルドに輝きとても綺麗!
流れもいい感じでものすごい数の岩魚が潜んでいるような気がしてならない。
釣り禁止だし、実際に岩魚はたくさん居るのだろう。
槍沢 この色がたまらない
一ノ俣か二ノ俣か、その辺りから空が急速に晴れていった。急な太陽に追いつけないように
雲が低いところにたれ込めていた風景が印象的だった。
槍沢にたれ込む低い雲
ババ平に着いてひと息。雲ひとつない青空にテンションも急上昇。
ふと横を見ると寝ようとする人が・・これからという時に!
ババ平から
寝出そうとする人
しばらく休んで、いざ水俣乗越へ。大曲からの急坂がきついだろうなとは思っていたが、
やはりきつかった。
持ってきたパンをしょっちゅうかじり、コンデンスミルクを吸いまくって体力を回復させつつ
歩いた。
やっとの思いで辿り着いた水俣乗越。北鎌尾根にいくためにはまた降りなければならない。
なんだかもったいない気分で天上沢を下る。
水俣乗越から天上沢を望む
天上沢へ下降
我々の目指す槍の穂先も見えた
天上沢に降りてからは広いゴーロ帯を歩き、左手に北鎌沢の出合いを探す。
私はゴーロ帯を歩くのが好きだ。次に出す足を置くところに集中しながら岩を飛び歩くことに
喜びを感じる。何も考えないで足を出して歩く道路歩きの100倍楽しいと思う。
ドーロよりゴーロである。
北鎌沢の入口で昼食とする。素晴らしい景色を前にするとやはり腹は減るもので行動食として
取っておいたパンをここで全て食べてしまった。
北鎌沢は疲れるためちょくちょく休憩 依然天気は素晴らしい
この日は北鎌のコルまで上がってそこでビバーク。北鎌のコルは思いの他狭かった。
4人だとみんな足をのばすこともできず。また、少し傾斜しているため夜中に何度も目を覚まし、
ずり落ちた身を元に戻してはまた眠るということを繰り返した。
それにしてもこの夜、夏用キルトでは寒かった。けっこう辛かったけど面白いビバークだったと
思う。横に飛び出た木の幹の上でストーブが倒れるのを心配しながら米焚きしたり、寒くて震えて
いるのにビールがやたらにうまかったり。
北鎌のコルでのビバーク
翌朝、日が昇る前に出発。空には雲ひとつない。まだ月が出ている。
北鎌のコルから少し上がったところで空が明るみ出す。周りの山々が朝日を受けて神々しい。
朝焼けに真っ赤に染まる岩峰にも感動を覚える。
岩峰が赤く染まっていく 綺麗だった
気持ちのいい朝だった
しかし、稜線に上がってからのこの幕営適地の数は何だ。4人とも幕を張り、宴会まで充分に
できそうなところがいくらでもある。
それを知っていれば昨晩、あんな狭苦しいところで寝ることもなかったのに。
平らな稜線の上で
槍はまだまだ遠い
稜線に出てからの岩歩きはあまり怖いところもなく楽しいものだった。
ただ巻き道ばかりだったので、時間に余裕を持った計画をたててもっと直登をいれたコースを
取るほうが面白かったかもしれない。
でもここは少し怖かった
槍がどんどん近づいてきて迫力を増してくる。
近づいてくる槍
行動食はすでになくなっていたのでトランギアの飯盒で米を満杯に炊き少しずつ食べた
おかずは塩こんぶとゆかり 食べるたびに力がみなぎった
槍に近くなってからはみんな思い思いのコースで色んなところから好きに登った。
槍の直下からは、今回履いてきたスポルティバのボルダーXの威力を思い知った。
とっかかりのない岩に足を置いても全く滑る気がしない。すごいグリップ力。
ソールはもっと薄いほうが岩の感覚があってよいのかもしれないが、
ある程度の厚みと固さがあるためゴーロ歩きでも疲れないのがよい。
ボルダーX
槍まであと少しのところ
槍の直下
槍の頂上では、年輩の方々がたくさんいらっしゃって、天気が良いときに頂上に立てたことを
喜び合った。
一通り記念撮影を済ませ、肩の小屋に降りてビールで乾杯。うますぎるビールだった。
頂上から
肩の小屋から穂先
槍沢への下山途中、何度も槍を振り返った。
私はここから見る槍の姿が一番好きだ。今回の北鎌から眺めた槍も昨年西鎌から眺めた槍も
好きだが、やはりここから仰ぐ槍がいい。尖っててかっこいい。
槍沢から
上高地に着いた頃には日も暮れて真っ暗。雨もざざ降りに。また天気は崩れるようだ。
本当に山にいる間だけ晴れてた。ついていたなと思う。
来年の槍Fish & Peakもぜひこのメンバーで来たい!
nut'sさん、wander_zさん、mt_hanterさん、ありがとう!
by nari0000000000
| 2010-11-20 18:57
| 山歩き