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アウトドア日記


by nari0000000000

阿弥陀岳南稜敗退

2011年2月11日(金)~2011年2月12日(土)

南稜敗退といってもそもそも稜線まで出られなかったのだが。

雪がけっこう降ることは予報で分かっていたが、とりあえず行けるところまで行ってみようということで、この三連休の前半に八ヶ岳のひとつ阿弥陀岳を目指してみた。

原村のゲートに着くと既に先行者の車あり。なんだか安心する。

しっかりとついたトレースを辿って林道を歩くこと一時間ぐらい。先行のパーティーの方達はテントを設営している。
話を聞けば南稜P1への分岐はもうかなり前に通り過ぎてきてしまっているとのこと。

分岐まで戻るのは大変なので広河原沢右俣を詰めてP3へ出ることに予定を変更した。


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林道ゲート入ったところ

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広河原沢右俣


右俣に入ってからはトレースがまったくない。雪は腰ぐらいまでの深いラッセルが続く。
といっても先行はほとんどナッツさん。私はすぐにへばってしまい後をついていくのがやっと。

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クリスマスルンゼ下の小滝 滑りやすいとのことでロープを垂らしてもらう

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クリスマスルンゼ


雪はしんしんと降り続き、とてつもなく静か。疲れてしかたがないが、誰もいない新雪の沢を
進むのは楽しいというか何というか、とにかくわくわくする。

上流に進めば進むほど雪はどんどん深くなっていく。傾斜もきつくなってきて幕営できるところも少なくなりそう。
まだ午後2時にもなっていなかったが、適当なところを見つけてテントを設営。

BDハイライトを二体並べ、上にタープをかけてテント長辺側についた入り口を全開にした。
中は広々としてかなりいい感じ。ナッツさんと同じテントでよかった。

かなり 疲れていたのでビールで乾杯して少し寝た。起きてからインスタントラーメンの簡単な
夕食をとり、真澄と塩辛で一杯やってまたすぐに寝た。


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幕営地


翌朝起床すると空には少し晴れ間が出ていた。さて、またラッセルである。

昨日と同様、上に行けば行くほど雪が深くなっていく。胸ラッセルが続いてほとんど進まない。
1時間に7~80mがやっとというところ。稜線に出るまでにはまだまだかなりありそうだし、
ピークまでに何時間もかかるだろうということで敗退宣言。引き返すことにした。


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深いところでのラッセル

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ピッケルで一度前の雪を切り崩してからでないと進めなかった


帰りに昨日のパーティーの方と会って少し話す。その方達も雪が深いので稜線に出る予定を
変更し、クリスマスルンゼでアイスクライミングして帰られるとのこと。色々と親切で優しい
おじさん達だった。

下山してからナッツさんに美濃戸口まで車で送ってもらい、ナッツさんは帰路へ。
私は赤岳鉱泉に向かった。


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クリスマスルンゼを登りにきたおじさん


敗退は敗退だが、稜線まで行ける気がまったくしなかったため悔しくはなかった。
人のいないところで快適に寝ることができたし、この時期のこの辺りの沢を初めて見ることができたこともあり、悔しいというよりはむしろ楽しかった。

でも、この時期にこのような沢から稜線に出ようなどと考えるものではない。
# by nari0000000000 | 2011-02-17 01:18 | 山歩き

沢納めの会(2回め)

2010年10月9日(土)~2010年10月11日(月)

昨シーズン最後から2回めの釣行。この前の週に沢納めの会をしようとみんなで集まったのだが、
沢を納めきれていないナッツさんと私の二人でその翌週、同じところに釣行。


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下流にあるダム 濁っておらず安心する


この辺りには何本もなかなかの規模の沢が走っているが、先ずは型を拝みたいということで、
前の週に入って最も調子の良かったH沢に入ることにした。

相変わらず魚影が濃い。時期も時期だし小雨もぱらついていたため、気温はかなり低かったと
覚えているが、いかにも岩魚が好きそうという底石がしっかりあって少し深くなってるところを
選んで毛鉤を浮かべていると、岩魚くん達はたいがいすーっと浮いてきて鉤を咥えてくれた。

すぐに何匹か釣ったがサイズはあまり大きくない。少し甘いかもしれないがキープサイズ
を20cmぐらいと決め、その夜食べる分の岩魚を数尾キープして小屋に帰った。


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小さくても元気な岩魚くん

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この手のサイズが多かった

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ナッツさんもすぐにゲット

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良かったのはこういう感じのポイント


夜は岩魚料理と鳥すきをつつきながら骨酒を飲みつつ、翌朝どの沢に入るかを相談した。
魚を捌くのもなめろうをたたくのも鳥すきも、みんなナッツさんがやってくれた。
ナッツさんは岩魚を捌くのがうまかった!


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鶏すきの材料

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先ずは鶏肉を炒めて

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蒸すこと数分

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次に野菜を入れて

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また待つ

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鶏すきの出来上がり

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岩魚の刺身となめろう

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岩魚の皮と胃袋のバターソテー にんにくと鷹ノ爪、醤油で


翌朝ゆっくり寝て、このエリアで最奥のK沢まで出かけてみることにした。地形図を見る限り
かなり堰堤が多いので少し不安だったが、すでに充分に釣りを楽しんでいたし、そこで
釣れなくてもまた昨日と同じ沢に入ればいい。
それに釣れない沢を知っておくこくと翌年この辺りに来たときに無駄足を踏まなくなる。


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ところどころ崩れている林道を通って

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下流は完全に濁っていたが、さすが最上流 薄濁り

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釣りはじめてすぐに晴れ出す


半信半疑で入った沢だが、この沢が大当たり!ある区間だけだが、ポイントと思われる
ところにはすべて魚が入っており、必ずといっていいほど出てくれた。それに釣れる型も申し分なかった。


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よい型がよく釣れた

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今回最大の泣き尺

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ナッツさんはテンカラで

初めて入った沢が当たると本当に嬉しいものである。釣れなくなるまで釣り上がって切り上げ、
この夜もナッツさんの岩魚料理づくしで宴会した。前の夜、骨酒にお酒を使い過ぎて、あまり
お酒が残っていなかったことだけが残念だった。


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焼き枯らし

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残り少ないお酒で骨酒

今年はこの沢にいつ入るか?あと半月で解禁である。
# by nari0000000000 | 2011-02-16 23:37 | フライフィッシング

奥穂高岳

2010年10月23日(土)~2010年10月24日(日)

北アルプス紅葉のピークも過ぎたことだし、おそらくはこの週末人も少ないだろう。

最近は釣り続きだったが、たまには一人で静かな山歩きを楽しもうと北アルプスに
出かけることに決めたものの、一向に行き先が決まらない。

北アルプスで1泊2日の計画を立てるというのはなかなか難しいものである。

結局、行きの電車の中でも地図を見ながら行き先を考えていたが決まらず。
もうすぐ松本に着いてしまう。松本着のギリギリで上高地インアウトにするということだけ決め、急いでバスに乗り込む。
バス車内で奥穂高岳に登ってジャンダルム経由で岳沢から下山することに決めた。

私はすぐ息が上がるため登りはかなり遅いが、下りはめっぽう早い。このコースでも
1泊2日で充分いけるだろう。

河童橋のあたりは紅葉を見に来た人達でごった返していた。なるほど、山の上のほうは紅葉のピークを過ぎていても上高地は今まさにピークか。

あまり時間に余裕もなかったが、時々梓川のほとりに出て色とりどりに染まった山をみて
一服したりしながら上高地歩きを楽しんだ。

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上高地の紅葉


徳沢まではかなり賑やかだったものの、徳沢を越えてからは急に静かになる。
横尾では人もほとんどおらず、テントは一張りもなかった。


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徳沢園

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横尾あたりの紅葉


横尾に着いたのが15時ぐらいだったか。横尾本谷の出合に着くころには日も翳りはじめて
少し焦ってくる。せっかくなのでなんとか暗くなる前に涸沢に着いて暮れゆく中の涸沢カール
を拝みたい。


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横尾本谷

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本谷橋

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涸沢まであと少し


息は切れるが、がんばって早く歩いて日が沈む前に涸沢到着。テント場が空いていて、
張る場所はよりどりみどり。できる限り快適なところをじっくり時間をかけて選んだ。


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涸沢のテント場


テントを設営し、小屋にビールを買いにいく。小屋の玄関にハットを被ってモントレイルのナムチェ
を履いたえらくお洒落でかっこいい人がいる。
「ナムチェかっこいいですね」と話し掛けようかと迷ったが、話し込んでおられるようなので
やめておいた。後から聞くとCreepさんとのこと。このとき話し掛けておけばよかったと大後悔。

チキンラーメンとパンにチーズとベーコンときゅうりをのせたもので簡単に夕食を済ます。
余ったスライスチーズを食べながらワインを飲んで、いい気持ちに酔ってすぐに寝た。


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夕食のパン

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チキンラーメンW卵

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テントに横になって涸沢カールを見れるというのはよかった

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朝 涸沢カール


翌朝、暗いうちに起きて早発ちするつもりでいたが、起きたらもう空はすっかり明るくなっていた。
朝食はスープのみにして急いで支度をして出発。

お昼は奥穂の山頂でとろうと決めていたが、穂高岳山荘に着いたときには腹が減りすぎてへろへろ。
穂高岳山荘から山頂まではすぐだが、我慢ができないためここでお昼とした。


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昼食のパン

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涸沢カールから少し上がったところ


奥穂山頂で写真や動画を撮っていたとき足元に注意しておらず右足首をぐねってしまった。
それでゆっくり休めるところに移動しようとしたところでもう一度ぐねった。

テーピングは持ってきていたが正しい巻き方が分からない・・人が巻いているところは何度か
見たことがあったので見よう見真似で巻いて歩いてみたところ、なんとか歩ける感じ。
しかしゆっくりでしか歩けないため、ジャンダルムに向かうことはあきらめ吊尾根から
重太郎新道に出て岳沢から降りることにした。


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奥穂頂上より槍

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吊尾根

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重太郎新道から 前穂

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重太郎新道から 涸沢カール 


平らなところではあまり足首が痛まないため普段と歩くスピードは変わらないが、
急なところではどうしても足首が痛い方向に曲がってしまいどうにもならない。
岳沢はけっこう急なため、うぎゃうぎゃ声を上げながら歩いていた。


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岳沢から

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上高地へ下山

今回、空はずっと曇っていたものの雨には一度も降られずにいたが、上高地に着いてすぐ
ぐらいにけっこう強い雨が降り出した。山にいる間だけ降られないとはついていた。

足をぐねったときはどうなることかと心配になったが、バスに充分間に合う時間に
無事下山できてよかった。バスには長蛇の列ができていたためゆっくりビールでも飲んで
待つことにした。

ここでゆっくりしすぎたため、帰りに温泉にも飲み屋にも寄れなかったことがすごく
残念だった。久しぶりに松本「萬来」で馬刺しを肴に大雪渓を飲んで帰りたかった。

あと、今まで快晴の山歩きばかりが良いと思っていたが、曇りの山も岩に迫力が出て悪くないなと
思った。
# by nari0000000000 | 2010-11-20 20:07 | 山歩き

北鎌尾根

2010年9月24日(金)~2010年9月26日(日)

山の上にいる間だけは天気にも恵まれ、青空のもと最高の稜線歩きを楽しめた。

もともと高瀬川のどこかの支流で釣りをしてから水俣川・千丈沢に入り北鎌尾根に出て
槍を目指すという3泊4日のFish & Peak計画であったが、台風の接近により一旦中止。

台風が過ぎるのを待って1泊2日でどこか別の山域へ行こうということになっていた。
出かけずに天気をずっと様子見していたが、どうやら予報より早めに台風は過ぎるもよう。
一度あきらめた北鎌だが、水俣乗越へ上がってから天丈沢に下りて尾根に上がるルートもあるという話を聞き、急遽その計画に変更することになった。

これなら天気のせいで1日延期したものの上高地ナイトハイク2泊3日で充分いける!

Fishがないのはとても残念だが、そんなこと言ってはいられない。
湯俣からのFish & Peak はまた来年狙えばいい。来年は沢で尺岩魚を釣って焼き枯らし、
それを行動食として槍を目指したい。

もともと平日を含む3泊4日の計画であったためみんな金曜に休みを取っている。
金曜のお昼過ぎに東京を発ち、19時に閉まるという釜トンネルをぎりぎり通過、
19時過ぎに上高地に着いた。

ヘッドランプをつけて夜の林道を歩く。雨にやられて家でぐだぐだ過ごすはずだった時間に
上高地を歩いていることを不思議に感じる。

横尾にはいくつかテントが張られていた。もう寝静まっているのであろう、ほとんどのテントの
灯は消えている。
私たちが幕営する敷地には一張りもなかったので、他の人に気を遣わずに設営できた。短い時間
であったが宴会を楽しむこともできた。


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横尾のテント場


翌朝、天気はすっきりしていない。曇り空の下、朝靄のかかった林道を槍沢に沿って歩く。
槍沢の水は相変わらずエメラルドに輝きとても綺麗!
流れもいい感じでものすごい数の岩魚が潜んでいるような気がしてならない。
釣り禁止だし、実際に岩魚はたくさん居るのだろう。


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槍沢 この色がたまらない


一ノ俣か二ノ俣か、その辺りから空が急速に晴れていった。急な太陽に追いつけないように
雲が低いところにたれ込めていた風景が印象的だった。


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槍沢にたれ込む低い雲


ババ平に着いてひと息。雲ひとつない青空にテンションも急上昇。
ふと横を見ると寝ようとする人が・・これからという時に!


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ババ平から

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寝出そうとする人


しばらく休んで、いざ水俣乗越へ。大曲からの急坂がきついだろうなとは思っていたが、
やはりきつかった。
持ってきたパンをしょっちゅうかじり、コンデンスミルクを吸いまくって体力を回復させつつ
歩いた。

やっとの思いで辿り着いた水俣乗越。北鎌尾根にいくためにはまた降りなければならない。
なんだかもったいない気分で天上沢を下る。


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水俣乗越から天上沢を望む

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天上沢へ下降

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我々の目指す槍の穂先も見えた


天上沢に降りてからは広いゴーロ帯を歩き、左手に北鎌沢の出合いを探す。
私はゴーロ帯を歩くのが好きだ。次に出す足を置くところに集中しながら岩を飛び歩くことに
喜びを感じる。何も考えないで足を出して歩く道路歩きの100倍楽しいと思う。
ドーロよりゴーロである。

北鎌沢の入口で昼食とする。素晴らしい景色を前にするとやはり腹は減るもので行動食として
取っておいたパンをここで全て食べてしまった。


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北鎌沢は疲れるためちょくちょく休憩 依然天気は素晴らしい

この日は北鎌のコルまで上がってそこでビバーク。北鎌のコルは思いの他狭かった。
4人だとみんな足をのばすこともできず。また、少し傾斜しているため夜中に何度も目を覚まし、
ずり落ちた身を元に戻してはまた眠るということを繰り返した。

それにしてもこの夜、夏用キルトでは寒かった。けっこう辛かったけど面白いビバークだったと
思う。横に飛び出た木の幹の上でストーブが倒れるのを心配しながら米焚きしたり、寒くて震えて
いるのにビールがやたらにうまかったり。


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北鎌のコルでのビバーク


翌朝、日が昇る前に出発。空には雲ひとつない。まだ月が出ている。

北鎌のコルから少し上がったところで空が明るみ出す。周りの山々が朝日を受けて神々しい。
朝焼けに真っ赤に染まる岩峰にも感動を覚える。


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岩峰が赤く染まっていく 綺麗だった

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気持ちのいい朝だった

しかし、稜線に上がってからのこの幕営適地の数は何だ。4人とも幕を張り、宴会まで充分に
できそうなところがいくらでもある。
それを知っていれば昨晩、あんな狭苦しいところで寝ることもなかったのに。


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平らな稜線の上で

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槍はまだまだ遠い


稜線に出てからの岩歩きはあまり怖いところもなく楽しいものだった。
ただ巻き道ばかりだったので、時間に余裕を持った計画をたててもっと直登をいれたコースを
取るほうが面白かったかもしれない。


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でもここは少し怖かった


槍がどんどん近づいてきて迫力を増してくる。


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近づいてくる槍

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行動食はすでになくなっていたのでトランギアの飯盒で米を満杯に炊き少しずつ食べた
おかずは塩こんぶとゆかり 食べるたびに力がみなぎった


槍に近くなってからはみんな思い思いのコースで色んなところから好きに登った。
槍の直下からは、今回履いてきたスポルティバのボルダーXの威力を思い知った。
とっかかりのない岩に足を置いても全く滑る気がしない。すごいグリップ力。

ソールはもっと薄いほうが岩の感覚があってよいのかもしれないが、
ある程度の厚みと固さがあるためゴーロ歩きでも疲れないのがよい。



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ボルダーX

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槍まであと少しのところ

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槍の直下


槍の頂上では、年輩の方々がたくさんいらっしゃって、天気が良いときに頂上に立てたことを
喜び合った。
一通り記念撮影を済ませ、肩の小屋に降りてビールで乾杯。うますぎるビールだった。


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頂上から

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肩の小屋から穂先


槍沢への下山途中、何度も槍を振り返った。
私はここから見る槍の姿が一番好きだ。今回の北鎌から眺めた槍も昨年西鎌から眺めた槍も
好きだが、やはりここから仰ぐ槍がいい。尖っててかっこいい。


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槍沢から


上高地に着いた頃には日も暮れて真っ暗。雨もざざ降りに。また天気は崩れるようだ。
本当に山にいる間だけ晴れてた。ついていたなと思う。

来年の槍Fish & Peakもぜひこのメンバーで来たい!
nut'sさん、wander_zさん、mt_hanterさん、ありがとう!
# by nari0000000000 | 2010-11-20 18:57 | 山歩き

K沢釣行

日程:2010年9月4日(日)~2010年9月5日(月)

釣りシーズンも終わってしばらく経つ。最近、今シーズン最も感動した釣りはどこだっただろう
と振り返ることも多いが、そんな時にいつもこの渓のことが真っ先に思い浮かぶ。

北アルプスでも南アルプスでもなく、周囲を1000メートルぐらいの地味な山容の山々に
囲まれた静かな山域にある渓である。

山が大きいほどその谷にある渓流も大くなるものだが、この渓流はその山の大きさから考えると
驚くべき規模だった。
この辺りの他の沢ではよく釣りをしていたものの、まさかあれほどの渓が奥深くまで広がっていようとは
とは思っていなかった。

この沢は前から地図を眺めていて気にはなっていたものの「ゴルジュっぽい」「林道が閉鎖されて
いる」「入渓点が分からない」などの理由から釣るのが難しそうなので今まで足が遠のいていた。

今回、この沢で何度も釣りをしたことがあり、地形もよく把握されているjanさんに連れていって
もらうこととなった。

それにしても何年も人が来ないと(少しは来るだろうが)、岩魚はこんなにも育つのか。
成長しきった大きなヒレに鋭い牙、腹は実に濃いオレンジ色をしていて中には金色のものまでいる。
そのようなワイルドな魚体の岩魚達がたくさんいいた。

魚だけではなく植物にも驚いた。私は植物について疎いほうだが、渓流を歩きながら時々足を止め
て山の斜面をじっくり眺めてみると実に色々な木や草が生えており、この辺の他の渓流に比べて
自然が豊なことを感じる(この辺の他の渓流も充分に素晴らしいけれど)。

土砂崩れの後はほとんどなく土壌がしっかりしている感じがする。そのためか、沢には砂が
ほとんど流れ込んでおらず、底石だらけの岩魚の隠れ家だらけだった。

この渓流に続く林道は随分前に閉鎖されたとのことだが、林道が閉鎖される前はこんなにも
自然豊かだっただろうか。

この素晴らしい渓相や魚をたくさん写真におさめておきたかったが、この日はあろうことか
カメラを忘れてきてしまった。
滅多にない渓相と滅多にない魚体、それに夜は満天の星空だったのに。

三脚だけは忘れずしっかり持ってきていた。もちろんだが意味のない荷物である。
そのため、このブログの写真は全てjanさんにいただいたものである。

前置きが長くなりすぎてしまったが、そのような良い雰囲気の沢に降り立ち、さっそく釣行開始。

といきたいところが、いきなり巻けない滝の出現でさっそく入渓に失敗。
やっと釣りができるとなった頃にはすでにヘトヘトになっていた。


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林道から

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一度沢に降りようとしたものの巻けそうになかった滝

ヘトヘトだったし入渓に成功したことを祝って先ずはビールで乾杯。全く冷えてないビールが
異常なほどうまい!

木々は頭上高くで交差している。フライを木に引っ掛ける心配もなく、ロッドは振りやすそう。
ラインを振りながら釣り歩ける。

先行させていただき釣り上がっていく。まだ水温が低いせいか、なかなか反応がない。
しかし魚の走る姿は時々みかける。魚はいるがまだ捕食時間ではないようだ。


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このような渓相がしばらく続く 滝を巻くのがけっこう大変


谷に日が差し込んでからしばらくしてヤマメを釣る。これだけ上流にヤマメがいることに驚いた。
それにしても野生味溢れる素晴らしい魚体。
出方はいかにもヤマメという素早い出方をした。イワナを釣る気でいたのに合わせ遅れせず
よかった。


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渓相に似合い黒々とした魚体のヤマメ


このヤマメを1匹釣った後はワイルドイワナのオンパレード!素晴らしい魚体にいちいち驚く。
しかしよくバラした。何がいけなかったのだろう。フライはメイフライパラシュートがほとんど
だったが針のサイズはときどき変えてみたりはした。
バラしても問題ないぐらい釣れるので、あまり気にはしなかったが。
それにしてもjanさんはあまりバラしていない。何が違ったのだろう。流し方の違いだろうけど。
また、私が先行したその後ろで釣られているところを何度も見た。さすがとしか言いようがない。


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素晴らしい渓相 自分が写っているこんな写真を撮ってもらえて嬉しい

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このように腹のオレンジが綺麗な岩魚がオンパレード

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janさんが釣った腹が金色の岩魚

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janさん


遡行については何ヵ所か冷やっとするところがあった。竿をたためばそれほど怖くはなかったの
だろうけど、janさんも私もなかなか竿を畳まない・・

クラックから入ってすぐ横に巻かなければいけないところを、そのままどんどん登っていって
しまい降りるのに大変苦労した。

そういえば夏にいった万太郎谷でも同じ間違えをした。懲りていない。クラックを登ることに
夢中になりすぎて横を見ていないのだ。
後から聞いたところ、そんなに高いところから巻くことはめったにないとのこと。

釜を泳いで滝に取りつかなければ先へ進めないところへ出た。谷にはもう日の差さない時間
となっておりかなり寒い。
この滝のことは釣りをする前から聞いており、泳ぐ気満々でいたのだが、寒すぎてまったく
泳げる気がせず納竿とした。

ビバーク適地を探しながら下る。10分ぐらい歩いたところに2人ならぎりぎり横になることが
できて、小さな焚き火ならおこせそうな平地を見つける。そこに農ポリを張って野営とした。


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農ポリを利用したタープを張って火を熾す

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キルトを被って焚き火の横にそのまま寝た


夜は焚き火を囲って数々の岩魚料理と山椒味噌に舌鼓を打ち、この渓や岩魚がどれほど貴重なもの
かを興奮して話した。岩魚を食べながら話すというのもあれだが・・

翌朝、釣りはなし。朝食をとって少しのんびりしてすぐに脱渓とした。だいたい釣ろうにも朝の気温
の低いときにこの先にあるあの釜を泳ぐ気にはとてもなれない。

帰りはけっこう急な斜面で谷が深いため距離もありなかなか大変だった。
岩の脆いところで次の一歩が出せなくなり、先にそこを越えていたjanさんにロープを垂らして
もらって登れた。一人だったらどうしていただろう。一度沢まで降りていたと思う。


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脱渓


林道に出てからはアスファルトの道を延々歩いてゲートに到着。かなり疲れた。
帰りの車の中でも、この渓がどれほどすごいかということばかり話していた。

来シーズン、何度も訪れたい渓だが、あまり来すぎて魚が減りすぎては困る。
我慢して一度や二度の釣行にとどめておきたい。
今からその一度か二度の釣行が楽しみでならない。
# by nari0000000000 | 2010-11-20 17:44 | フライフィッシング